令和2年度 国家公務員共済組合連合会佐世保共済病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 423 158 169 256 457 528 1177 1506 1010 269
 当院は、救急告示病院・臨床研修指定病院・地域医療支援病院等の特色を持ち、佐世保・県北医療圏における基幹病院として地域に貢献できるよう努めております。
 上記「年齢階級別退院患者数」から読み取れる傾向としては、まず全体的に佐世保近郊の年齢階級別人口と近い形であり、総合的病院として幅広い年代の診療に対応できるということです。
 この特性を活かし、当院では「骨折の手術療法」「周産期の診療」「癌の治療」を診療の3本柱として特に力を入れていく方針でございます。
 表の60歳代から80歳代の患者が多い部分では、「骨折や関節症などの整形外科分野(主に手術)」、「がんをはじめとする消化器系疾患(開腹手術・腹腔鏡下手術・抗がん化学療法等)」、「尿路結石や尿路系のがん等の泌尿器科分野(手術・抗がん化学療法等)」の診療が多いです。
 30歳代から50歳代の中には、「外科の乳がん(手術・抗がん化学療法等)・婦人科系の悪性・良性疾患(開腹手術・腹腔鏡下手術・抗がん化学療法等)または分娩・周産期関連等の女性特有の疾患を多く診療しております。
 0歳代では、小児アレルギーセンターにおけるアレルギー負荷試験が多く、これも当院の特徴の一つであると言えます。 近年はコロナ禍により残念ながら実施できておりませんが、小児アレルギーセンターでは幾度か市民公開講座も開催しており、診療以外の部分でも市民の皆様に寄り添いお役に立てるよう努力しております。
 また、産科と小児科の両科を標榜している総合病院として、出産から新生児の異常に対するケアを一連で行うことができることも当院の強みのひとつと言えます。
 また、出産する母親目線での過ごしやすさや安心感を考慮したアメニティー等の強化を目指し、産科病棟大規模改修工事を予定しております。
 NICU(新生児集中治療室)も稼働していますので、 生まれてくるお子様には出生時から総合的病院としてのフォローができることなど、当院の特徴を活かし、地域の皆様のニーズにお応えできる基盤はより強化されております。
 腫瘍内科では、抗がん化学療法等による専門的な治療をより多く行える体制となってまいりました。複数の診療科による外科的手術治療・抗がん化学療法等の組合せにより、より専門的・広範的ながん診療を提供できるよう努めてまいります。
 その他、当院初の業種「公認心理士」も加わり、メンタルサポート面でも機能が強化されております。
 このように、地域における総合的な病院の責務を果たすべく日々努力してまいります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 75 18.23 11.04 12.00 75.59
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 56 2.38 2.66 0.00 64.82
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 48 16.90 17.23 8.33 82.96
06007xxx9905xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等25あり 29 8.14 8.91 0.00 67.93
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 24 17.50 13.00 12.50 82.42
当院内科は、「腫瘍内科」「消化器内科」「腎臓内科」「循環器内科」「呼吸器内科」「糖尿病内科」に標榜が分かれており、腫瘍内科では病院長を含む専門医師が、最新の研究情報や保険適応状況等も取り入れながら、各種"がん"に対し抗がん剤による化学療法を主に実施しております。
多種の医師が在籍しておりますので、一部の指定難病の診療や公費認定の補助についてもご相談いただけます。
表では見えない部分で、内科医は急患の受け入れや多様な疾患の対応を可能な限り多く実施できるよう努力しております。
 
<上記指標の説明>
 「慢性腎不全」の患者さんに対し、腎臓内科ではシャント(血液透析を行う際に通す動脈と静脈をつなぎ合わせた血管)の造設や透析の実施・管理を多く行っております。
 循環器内科では、「心不全」「狭心症」「急性心筋梗塞」等々の診療における熟練医師が在籍しており、経皮的冠動脈ステント留置術や経皮的冠動脈形成術または心臓カーテル検査等を行っております。
 腫瘍内科では、最新の抗がん化学療法も積極的に取り入れ、様々な根拠に基づいて専門医ががん診療にあたっております。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり 131 2.00 2.12 0.00 3.50
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし 29 23.66 11.19 3.45 0.00
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1なし 28 2.11 2.44 0.00 7.54
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 20 10.40 6.13 5.00 0.00
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2なし 15 1.93 3.33 0.00 6.60
 当院は日本アレルギー学会教育施設の認定を受けており、小児食物アレルギーに対する食物負荷試験目的の入院や、市民の皆様への公開講座を開催したりと、アレルギー疾患に対して力を入れております。
 1泊2日の食物アレルギー負荷試験目的入院につきましては年間約200例(コロナ禍前は約350例)実施しており、安定した実績を有しております。
 その他も乳幼児疾患全般・感染症・呼吸器疾患等の診療、さらに日本小児血液・がん学会認定医も在籍しており、小児血液疾患にも対応しております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 89 2.48 2.66 1.12 67.64
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 40 3.88 4.15 0.00 67.50
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 38 8.24 4.86 0.00 70.00
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 38 9.53 7.23 0.00 59.16
060040xx99x6xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 32 3.44 4.48 0.00 68.63
 当院外科は、「消化器外科」「乳腺外科」が主たる専門領域になります。
 開腹手術・腹腔鏡下手術や抗がん剤による化学療法による消化器系のがんの治療や、その他消化器系疾患の開腹手術や内視鏡手術等を幅広い範囲で実施しております。乳腺については、マンモグラフィー等の検査や、様々な術式による手術・抗がん化学療法による治療を主に実施しております。予約制の乳がん検診も実施しております。
 平成29年度より抗がん化学療法を専門的に引き受ける腫瘍内科が開設されましたので、専門分野の分担により、外科においてはより手術分野に特化した診療に力を入れたいと思っております。
 また、胆のう結石やヘルニア等に対し、傷が残りにくく回復が早い腹腔鏡下の手術も多く実施しております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 163 22.82 25.09 88.34 85.56
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 靱帯断裂形成手術等 102 43.92 17.59 0.98 66.47
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 53 10.66 5.18 0.00 56.68
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 45 19.96 18.81 66.67 80.36
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 40 28.83 18.74 2.50 50.80
 整形外科は当院で最も医師数が充実しており、院内で最も患者数が多い診療科です。
 高齢者の大腿骨骨折や変形性膝関節症・股関節症の手術から、スポーツ障害等の手術を含む様々な手術を年間1,500例以上実施しており、さらにリハビリテーションや義肢装具の処方等々まで幅広い診療体制を備えております。
 肩腱板断裂等の肩関節障害においては専門医が在籍しており、年間100件を超える手術症例数で九州内でもトップクラスの実績となっております。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x41x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり 110 6.67 8.73 0.00 66.01
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 77 5.00 3.11 0.00 38.78
120010xx99x40x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 61 3.52 4.78 0.00 73.57
120010xx99x51x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり 定義副傷病あり 59 7.98 9.74 0.00 60.90
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 54 13.78 9.57 0.00 46.69
 当院産婦人科は、子宮がんや卵巣がんの悪性腫瘍に対する手術療法、抗がん化学療法、また子宮筋腫・子宮脱・卵巣のう腫等の良性女性生殖器疾患に対する手術療法等の“婦人科領域”の診療と、自然分娩の周産期管理や帝王切開といった“産科領域”の診療を両立しております。
 上記指標では集計条件から除外されるため計上されておりませんが、年間約80名(コロナ禍前は約130名)の患者様が当院で自然分娩されております。
 分娩時の異常に伴う緊急帝王切開や、予定で実施する選択的帝王切開も、併せて約120件の実績となっております。
 腹腔鏡下による手術が可能である点や、女性医師が在籍している特色を活かし、女性に優しい病院として地域医療に貢献するため、地域の医療体制の変化やニーズに応えていければと思います。
 令和3年度は、出産する母親目線での過ごしやすさや安心感を考慮したアメニティー等の強化を目指し、産科病棟大規模改修工事を予定しております。正常分娩も異常分娩も安心して行える施設力の強化に努めてまいります。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 128 2.26 2.76 0.00 78.48
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし - - 3.07 - -
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり片眼 - - 5.65 - -
020250xx97xxxx 結膜の障害 手術あり - - 3.22 - -
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり - - 3.15 - -
 当院眼科の入院症例の約85%は「白内障」に対する「水晶体再建術」等の手術症例です。
 「黄斑変性」に対してのレーザー治療等も実施しております。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 38 8.84 7.94 0.00 20.68
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 28 6.82 6.71 0.00 60.43
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 25 5.08 5.63 4.00 46.80
030428xxxxxxxx 突発性難聴 20 11.95 8.81 0.00 61.50
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 19 7.16 7.52 5.26 27.53
 前年度は「耳」「鼻」の領域の内視鏡手術を専門とする医師の活躍により、「中耳炎」や「副鼻腔炎」などの内視鏡手術症例が増加しており地域施設から多くのご紹介をいただいておりましたが、当年度は医師の交代により、上表から読み取れるように「扁桃炎」や「副鼻腔炎」の手術から「めまい」や「突発性難聴」のステロイド治療など、耳鼻咽喉科領域を総合的にカバーする診療体制となっております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 224 9.75 5.67 0.45 62.64
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 77 3.87 2.54 1.30 71.17
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 63 10.35 7.13 1.59 72.48
110420xx02xx0x 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 定義副傷病なし 41 5.39 4.13 0.00 71.32
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病なし 39 6.56 7.26 0.00 58.03
 上記“上部尿路疾患”は「尿管結石」「腎結石」が主となります。これらに対し、TULと呼ばれる“経尿道的尿路結石除去術”といった特殊機材を使いレーザーにより砕石する手術療法を多く実施しており、年々延びる実施件数は、全国的に見ても上位の実績となっております。また“体外衝撃波結石破砕術”という体外からの衝撃波により結石を砕き体の外に流しだす、専門機器を利用した治療も行っております。
 膀胱がん・前立腺がん・腎がん・尿管がん等、多様な尿路系の悪性腫瘍に対する専門的な検査、手術療法、抗がん剤による化学療法等も実施しております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - 13 - 61 - 10 1 6
大腸癌 38 50 63 64 53 28 1 6
乳癌 53 53 - - - 19 1 6
肺癌 - - - - - - 1 6
肝癌 14 12 - - - 17 1 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 がんがどれくらい進行しているかを示すものが“ステージ”であり、ステージⅣが、がんが最も進行している状態ということになります。
 当院では、大腸癌や胃癌といった消化器系のがんに対する手術療法や、抗がん剤による治療また内視鏡的切除術の症例が多いことがわかります。UICC病期分類からの読み取れるように、早期のがんから末期のがんまで万遍なく対応しております。
 上表の「大腸癌」では、早期がんに対しては内視鏡的切除、末期までのがんに対しては外科的手術や抗がん化学療法が多いです。
 画像診断や内視鏡診断からのがん発見や、他の医療機関からの紹介等、診療開始の経路は様々です。
 呼吸器系の常勤医は現在不在となっておりますので、「肺癌」の症例は少ないです。
 乳癌については、“乳腺外来”や“乳がん検診”等を通じてがんの早期発見に努め、市民の皆様の健康に寄与できればと思います。
 治療以外にも、すべてのがんにおいて緩和ケアチームによるメンタルサポートなども実施しております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 44 17.61 84.64
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
 当院におきましては、呼吸器内科の常勤医が不在で、水曜・金曜の外来診療のみということもあり、重症・超重症の肺炎患者を専門的に多くは診療しておりませんが、肺炎は高齢者において他疾患との併発が珍しくないものであるため、対応実績は多くあります。
 新型コロナウィルスの対応につきましては、行政との連携により多くのPCR検査や入院加療を日々こなしております。(希望によるPCR検査は受け付けておりません。)
 市民の皆様が安心できる生活が少しでも早く戻るよう、当院としても医療側からできる最善の努力をしてまいりますので、ご不便をかけることもあるかと思いますがどうぞご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- 12 27.83 78.25 58.33
 現在、脳神経外科は外来診療のみ実施しており、開頭手術や重傷頭部外傷を含む症例は原則受け入れておらず、脳梗塞の入院治療においても積極的に受け入れておりません。他科入院患者の脳神経外科的コンサルテーションは行っております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 53 0.34 1.36 0.00 65.45
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 49 3.04 2.08 6.12 69.47
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 18 2.33 14.00 0.00 73.94
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) - - - - -
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) - - - - -
診療科別に手術件数の多い順に上位5術式について、症例数・平均術前日数・平均術後日数・転院率・平均年齢を表示しております。
 この指標により、各診療科でどのような手術を多く実施し、入院の流れがおおよそどのようなものかを知ることが出来ます。
 手術の難易度が高く加療が長い症例については症例数を伸ばすことは困難なので、資料における実績が一概に当院の得意分野と一致するとは限りません。

【診療科コメント】
 「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」は、消化器内科の内視鏡的治療における具体的な手術手技名です。内視鏡で腸内に入り、専用の医療器具でポリープを切除します。
 症例数が多いものにつきましては、クリティカルパス(効率的かつ標準的な質の高い診療を実施・分析するための診療計画表)に沿って治療の内容を患者さんに明示しながら診療しております。
 シャントに関する手術は、腎臓内科が「慢性腎不全」の患者さんに対して実施しているものであり、“経皮的シャント拡張術”は、体内の血液や水分を循環させる透析時に使用する体内に埋め込まれた「シャント」と呼ばれる器具に不具合がある場合に実施されます。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 93 0.58 1.14 1.08 67.63
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 81 1.94 6.74 0.00 62.23
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 60 1.78 7.92 1.67 66.13
K6335 鼠径ヘルニア手術 23 1.26 5.78 0.00 70.35
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 22 0.50 5.14 0.00 35.82
【診療科コメント】
 早期回復が見込まれる腹腔鏡下による手術症例が増加し、平均在院日数が減少傾向にあります。上記手術以外にも、腸や胃や肝臓または膵臓等の消化器系のがんに対する切除術も多く実施しております。
 当院に抗がん剤による化学療法を専門的に担当する“腫瘍内科”が開設されたことにより、外科としては手術を中心とした治療に専念することが可能となったため、より重症手術への対応や手術症例数の増加を目指します。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 114 3.06 21.77 79.82 83.04
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 79 1.90 40.34 1.27 64.32
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 70 4.34 18.03 92.86 84.30
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 64 2.08 36.36 1.56 74.38
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 53 3.49 20.19 5.66 55.79
【診療科コメント】
 転倒等で高齢者に発生しやすい大腿骨(骨盤と足をつなぐ骨)の骨折に対する接合手術が症例数としては最も多いです。
 また変形性膝関節症・変形性股関節症に対しても、診療計画に沿った手術実績が多く上げられます。
 肩関節に対する手術は、数少ない専門医が在籍しておりますので、当院特有の診療領域であると言えます。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 80 2.34 10.89 0.00 50.40
K867 子宮頸部(腟部)切除術 57 1.19 3.40 0.00 40.28
K8654 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式) 38 2.03 8.61 2.63 72.29
K879 子宮悪性腫瘍手術 30 2.50 19.07 0.00 59.10
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹) 24 2.00 9.58 0.00 51.21
【診療科コメント】
 子宮がん・卵巣がん等の悪性腫瘍また子宮筋腫・子宮脱等の良性疾患に対する多様な手技の手術を実施しております。
 女性医師も在籍しており、“女性に優しい病院”を目指し女性患者のニーズにお応えできる診療体制を追求しております。
 帝王切開やその他周産期の症例につきましても対応しております。小児科の診療体制も拡充しておりますので、分娩から繋がる新生児疾患においてもチーム医療で対応することが可能です。
 変動していく地域の医療体制にアンテナを張りながら当院産婦人科は様々な産科・婦人科疾患の治療に尽力いたします。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 122 0.07 1.01 0.00 78.16
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) - - - - -
K279 硝子体切除術 - - - - -
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(縫着レンズを挿入するもの) - - - - -
K224 翼状片手術(弁の移植を要する) - - - - -
【診療科コメント】
 当院眼科の手術症例の大部分は、「白内障」に対する“水晶体再建術”です。
 眼内の濁った水晶体を除去し、人工のレンズを挿入することで、眩しさやかすみ、また視力低下の改善効果が期待されます。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 47 1.02 7.23 0.00 17.21
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 22 1.00 5.55 0.00 67.23
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 19 1.68 3.11 0.00 19.68
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 14 1.00 5.21 14.29 29.21
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 12 1.42 4.50 0.00 27.67
【診療科コメント】
 「慢性扁桃炎」や「睡眠時無呼吸症候群」に対する手術アプローチとして行われる「口蓋扁桃手術」が最も多く実施されました。
 8から9日間の入院で行われることが多く、全身麻酔下で電気メスで口蓋扁桃を摘出します。
 出血や咽頭痛等の起こりうる合併症を含め、専門の医師が丁寧に診療にあたっております。
 前年度の専門に特化した診療と比較し、総合的な耳鼻科咽喉科領域の治療を行った年度となりました。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 228 2.04 6.67 0.44 62.97
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 92 1.39 6.01 1.09 66.52
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 70 1.53 8.19 1.43 71.90
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 34 0.82 2.03 0.00 50.74
K7981 膀胱結石,異物摘出術(経尿道的手術) 24 2.50 5.38 0.00 76.25
【診療科コメント】
 腎臓や尿管に発生する結石に対し、レーザーを使い砕石除去するTUL(経尿道的尿路結石除去術)の症例件数は、当院の手術実績の中でもトップクラスの数を実施しておりますので、標準化された診療計画のもと安心して診療を受けることが出来る環境が整っております。 その他、膀胱がん・前立腺がん・腎がん・尿管がん等、多様な尿路・生殖器系の悪性腫瘍に対する手術療法や抗がん剤による化学療法も対応可能です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 12 0.20
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 90 1.51
異なる - -
 最も医療資源を投入した傷病名が「播種性血管内凝固症候群(DIC)」「敗血症」「その他の真菌症」「手術処置等の合併症」であるものについて、当該傷病名と入院の契機となった傷病名が同一であったか否か、また症例数と全症例に対する発症率を示しております。
 DICとは、血液の凝固反応が全身の血管内で発生する状態であり、生命に影響を及ぼす重篤な疾患です。
 敗血症は、重症細菌感染症が進行した場合に見られる状態であり、ショックやDICまたは多臓器不全に繋がる可能性がある生命に影響を及ぼす重篤な疾患です。
 これらの疾患は、臨床上ゼロになるのは大変困難ではありますが、少しでも改善すべきものとして数値を追ってまいります。
 DIC・敗血症は診療報酬上の評価が高いため、不正請求とならないようにDPC(診断と治療の組合せからなる包括支払制度。病名と治療内容等によって1日当たりの入院料点数が概ね決まっている。)下の病名選定は慎重に進めております。
 上表から見られる当院の当該疾患の発生率は、全国平均値と比較しても低く、適正なものであると言えます。

<手術・処置等の合併症について>
 人工関節を用いた治療を実施する当院において、人工関節のゆるみ・人工関節感染は万全を期していてもゼロにすることは困難ですが、発生率としては標準的な発生率と比較してもかなり低い方です(約0.14パーセント)。感染や合併症が発生しない対応、発生後も迅速適切な対応が今後も行えるよう努めてまいります。
 また、当院腎臓内科では、シャント(体内の血液や水分を循環させる透析時に使用する体内に埋め込まれた器具)が生活内で潰れる等によって発生したトラブルへの対処手術を行っており、これが「手術・処置等の合併症」の多くを占めております。
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