血管内にカテーテルを挿入し、目的臓器まで持って行き造影剤を注入することで血管の異常を観察する検査です。血管をより観やすく撮影するためにDSA撮影(デジタル・サブトラクション・アンギオグラフィ)で行われます。造影剤の注入前後をX線撮影し、血管だけを観察することができます。また血管を観察するだけでなく、カテーテルを用いて治療を行う事が出来ます。これをカテーテル治療・血管内治療(IVR:interventional radiology)といいます。狭窄した血管を拡げる血管形成術、動脈瘤・腫瘍へ栄養している血管・出血している血管を塞ぐ血管内塞栓術、動脈を通して腫瘍などの病変に薬剤を注入する動注療法などがあります。
代表的な検査には心臓カテーテル検査があります。心臓の血管が細く狭くなっていないか・詰まっていないかなどを調べたりする検査です。異常があれば、狭くなった血管をバルーンで膨らませたり、ステントを入れたりなど血管内治療も行われています。
当院では2020年9月に最新の血管造影装置(PHILIPS 社製 Azurion7B20/12 インチ バイプレーンシステム)を導入しました。この装置は最大66% の被ばく低減を実現しながら、従来以上の高精細な診断画像を描出できます。最新機能である、デバイスの視認性を向上するステント強調処理機能や冠動脈リアルタイム動画ロードマップ機能を有しています。またバイプレーンシステムであることから1回の造影で2方向の撮影ができ、リアルタイム動画ロードマップ機能と併せて、追加撮影の減少、被ばく低減と造影剤使用量の低減を両立しています。これらの事から手技時間の短縮が実現でき、治療支援に大きく貢献しています。

左:ライブ透視画像

右:Dynamic Cardiac Roadmap